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歯科開業医129名に聞いた「開業後につまずくポイント」

歯科医院の開業で失敗する原因は?開業医129名の調査から学ぶ7つの原因と対策

2026/09
ポイント

歯科医院の開業を検討するなかで、「開業しても患者が集まらなかったらどうしよう」「資金繰りが厳しくなったらどうしよう」と不安を感じる方がいらっしゃるかもしれません。歯科医院の開業における失敗は、倒産や閉院だけを意味するものではありません。患者数が計画を下回る、スタッフを十分に採用できない、資金繰りが厳しくなるなど、開業後にさまざまな問題が生じる可能性があります。

実際に、モリタが ◆2020年以降に開業した歯科医師129名 を対象に実施した調査では、開業後に困ったこととして、

  • 約70%が「スタッフ採用・教育」
  • 約51%が「集患・患者獲得」
  • 約32%が「資金繰り」

を挙げています。

開業失敗のリスクを抑えるためには、立地や設備だけでなく、資金計画、患者数の見込み、スタッフ採用、開業後の経営管理まで含めて開業準備を進めることが重要です。本記事では、開業医129名への調査も参考にしながら、歯科医院の開業で失敗につながりやすい7つの原因や想定される失敗パターン、開業前に確認したいポイント、開業後の経営管理、専門家へ相談したいタイミングまで詳しく解説します。

歯科医院の開業における「失敗」とは

歯科医院の開業における失敗というと、倒産や閉院をイメージする方もいるかもしれません。これら以外にも、患者数や売上が想定を下回る、スタッフを十分に採用できない、資金繰りが厳しくなるなど、開業後にはさまざまな課題が生じる可能性があります。

そのため、歯科医院の開業リスクを考える際は、倒産・閉院だけでなく、開業前に立てた事業計画や診療体制を維持できているかという視点も重要です。

開業の失敗は倒産や閉院だけではない

モリタが2020年以降に開業した歯科医師129名を対象に実施した調査では、開業後に困ったこととして、「スタッフ採用・教育」を挙げた方が約70%、「集患・患者獲得」が約51%、「資金繰り」が約32%でした。

開業後に最も困ったこと

(複数回答/回答率)

スタッフ採用・教育
:約70%
集患・患者獲得
:約51%
資金繰り
:約32%
業務効率化(IT・DX)
:約21%

[グラフ] 開業後に最も困ったこと

この結果からも、歯科医院の開業後には、医院を閉じるほどではなくても、人材確保や患者獲得、資金面などで問題が発生するケースがあることが分かります。

例えば、患者数が事業計画を下回れば、売上が伸びず、借入金の返済や家賃、人件費などの負担が相対的に重くなります。また、必要なスタッフを採用できなければ、予定していた診療枠を確保できず、院長や既存スタッフに業務が集中することも考えられます。

資金面では、利益が出ていても安心とは限りません。借入金の返済や設備投資などによって手元の資金が不足すれば、採用や設備更新といった必要な投資が難しくなる場合があります。そのため、売上や利益だけでなく、実際の資金繰りも継続して確認することが大切です。

本記事では、倒産や閉院だけを「失敗」と捉えるのではなく、患者数、資金、人材などの問題によって、当初想定していた診療体制や医院経営を継続することが難しくなる状態も含めて、開業に伴うリスクとして解説します。

歯科医院の開業成功率は一概に示せない

「歯科医院の開業はどのくらいの割合で成功するのか」と気になる方もいるでしょう。しかし、歯科医院の開業成功率を一律に示すことは困難です。

厚生労働省の2024年「医療施設調査」によると、歯科診療所は1年間に1,363施設が開設され、1,748施設が廃止されています。ただし、この数字は同じ歯科医院を開業から廃止まで追跡したものではありません。

例えば、2024年に開設された1,363施設のうち、その後何施設が経営を継続しているかを示した調査ではないため、「開設数と廃止数の割合=歯科医院の開業成功率」とすることはできません。

また、医療施設調査における「廃止」は、経営不振による閉院だけを集計した数字ではありません。そのため、廃止された歯科診療所の数を、そのまま「開業に失敗した医院の数」とは言えません。

民間調査会社が公表する歯科医院の倒産件数についても同様です。倒産には一定の集計基準が設けられており、経営が厳しくなったすべての歯科医院や自主的に閉院した医院を網羅しているわけではありません。

つまり、「歯科医院の開業成功率は○%」「○割が失敗する」といった数字だけで、自身の開業リスクを判断することはできません。

重要なのは、成功率という一つの数字を探すことよりも、自院の立地や患者数の見込み、資金計画、設備投資、スタッフ採用、診療体制などを一つずつ検証することです。次章からは、モリタが実施した開業歯科医師129名への調査も参考にしながら、歯科医院の開業で失敗につながりやすい原因と対策を具体的に解説します。

歯科開業医129名の調査から分かる開業後のつまずき

モリタが2020年以降に開業した歯科医師129名を対象に実施した調査では、開業後に困ったこととして「スタッフ採用・教育」が約70%、「集患・患者獲得」が約51%、「資金繰り」が約32%でした。

開業後に最も困ったこと

(複数回答/回答率)

スタッフ採用・教育
:約70%
集患・患者獲得
:約51%
資金繰り
:約32%
業務効率化(IT・DX)
:約21%

[グラフ] 開業後に最も困ったこと

また、「開業時にもっとこうしておけばよかったこと」では、「開業前にもっと経営を学ぶべきだった」が約40%、「スタッフ採用・教育に時間をかけるべきだった」が約32%、「資金計画を慎重に立てるべきだった」が約22%、「集患・広報活動をもっと行うべきだった」が約17%となっています。

「もっとこうすればよかった」と感じていること

(複数回答/回答率)

開業前にもっと経営を学ぶべきだった
:約40%
スタッフ採用・教育に時間をかけるべきだった
:約32%
資金計画を慎重に立てるべきだった
:約22%
集患・広報活動をもっと行うべきだった
:約17%

[グラフ] 「もっとこうすればよかった」と感じていること

この結果から、開業後につまずきやすいのは、診療そのものだけではなく、人材、患者獲得、資金、経営管理といった医院経営に関わる領域であることが分かります。開業準備では、物件や設備を整えるだけでなく、開業後の医院運営まで見据えて準備することが大切です。

※調査対象:モリタ友の会無料会員のうち2020年以降に開業した歯科医師129名。回答者の開業後年数は平均2.4年。

スタッフ採用・教育に悩む歯科医院が多い

モリタの調査で最も多かった悩みは「スタッフ採用・教育」で、回答者の約70%が開業後に困ったこととして挙げています。また、約32%が「開業前にスタッフ採用・教育にもっと時間をかけるべきだった」と回答しています。

歯科医院では、歯科医師だけでなく、歯科衛生士や歯科助手、受付など複数のスタッフが連携して診療や医院運営を行います。モリタの調査では、開業時のスタッフ数は平均5.3人、中央値4人で、3~5人でスタートした医院が約69%でした。

開業時のスタッフ人数については、「何人から始めるのが一般的なのか」が分かりづらく、相談できる相手がいないまま判断に迷うケースも少なくありません。

そこでまずは、開業形態を問わず、全体としてどの程度の人員体制で歯科医院がスタートしているのかをデータから確認します。

全体のスタッフ人数
平均雇用人数
:5.3人
中央値
:4人
3~5人が69%

[グラフ] スタッフの人数の内訳

特に歯科衛生士は90%以上の医院が開業時から雇用している一方、採用に苦労した職種として78.1%が歯科衛生士を挙げています。

歯科衛生士の存在感
開業時に雇用している割合
:90%以上

[グラフ] 開業当初から歯科衛生士を雇用している場合

採用で最も苦労する歯科衛生士
歯科衛生士
:78.1%が「採用に苦労」

[グラフ] 採用に苦労する職種

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」でも、歯科衛生士の有効求人倍率は2024年度に3.08倍となっており、採用競争が起こりやすい状況がうかがえます。

必要なスタッフを確保できないと、予定していた診療枠を設けられなかったり、院長や既存スタッフに業務が集中したりする可能性があります。そのため、スタッフ採用は開業直前に始めるのではなく、必要な職種や人数を診療計画から逆算し、開業スケジュールに組み込んでおくことが重要です。

また、採用できれば終わりではありません。医院の診療方針や理念を共有し、受付対応、診療補助、器材管理、患者対応などの役割を明確にしたうえで、開業前研修や開業後の教育体制まで考えておきましょう。長く働ける環境づくりを含め、採用・教育・定着を一体として計画することが大切です。

集患・患者獲得は開業後も継続的な課題になる

前述の調査では、約51%が「集患・患者獲得」を開業後に困ったこととして挙げています。また、約17%が「開業前に集患・広報活動をもっと行うべきだった」と回答しました。

開業前には診療圏調査などを通じて患者数を予測しますが、実際の患者数や患者層が計画どおりになるとは限りません。開業後は、事前に立てた計画と実際の来院状況を比較しながら、必要に応じて集患施策や診療体制を見直すことが重要です。

その際、新患数だけを確認するのでは十分とはいえません。例えば、新患が一定数来院していても、治療中断やキャンセルが多く、継続的な来院につながっていなければ、患者数や売上が安定しにくくなります。

そのため、開業後は新患数に加えて、初診・再診の患者数、キャンセル後の再予約、治療中断、定期管理への移行なども確認しましょう。患者獲得に課題がある場合も、「そもそも新患が来ていないのか」「来院しているものの継続につながっていないのか」によって必要な対策は異なります。

集患を「広告を増やすこと」だけと考えず、認知・初回来院・継続来院のどこに課題があるのかを把握し、改善を続けることが開業後の経営安定につながります。

資金計画と経営知識の不足も課題

調査では、約32%が開業後に「資金繰り」で困ったと回答しています。さらに、「開業時にもっとこうしておけばよかったこと」では、約40%が「開業前にもっと経営を学ぶべきだった」、約22%が「資金計画を慎重に立てるべきだった」と回答しました。

勤務医から開業医になると、診療に加えて、資金管理、スタッフ採用・労務管理、集患、設備投資など、経営者としてさまざまな判断を行う必要があります。高い診療技術を持っていることと、医院を安定して経営できることは別の問題であり、開業前から経営について学んでおくことが重要です。

特に注意したいのが、売上や利益と実際に手元に残る現金は必ずしも一致しない点です。会計上は利益が出ていても、借入金の返済や設備投資、税金などの支払いによって、資金繰りが厳しくなる場合があります。

そのため、開業前には初期費用だけでなく、開業後の家賃、人件費、リース料、借入返済などを含めた資金計画を作成しましょう。患者数や売上が計画を下回るケースも想定し、複数のシナリオで資金繰りを確認しておくと、想定外の事態にも対応しやすくなります。

開業後も、売上だけを見るのではなく、患者数、固定費、借入返済額、現預金残高などを定期的に確認し、事業計画と実績の差を把握することが大切です。数字に問題が表れてから対応するのではなく、小さな計画との差を早い段階で見つけて改善する仕組みをつくることが、安定した医院経営につながります。

歯科医院の開業で失敗につながりやすい7つの原因

歯科医院の開業後に生じる問題は、一つの原因だけで起こるとは限りません。例えば、想定より高額な物件を契約したことで借入額が増え、患者数が計画を下回った結果、資金繰りが厳しくなるといったように、複数の要因が重なって経営上の負担が大きくなることがあります。

開業前には、物件や設備だけでなく、患者数の見込み、資金計画、スタッフ採用、地域のニーズ、開業後の経営管理まで含めて計画することが重要です。ここでは、歯科医院の開業で失敗につながりやすい主な原因を7つ紹介します。

①開業地や物件を十分に調査せず決定する

歯科医院の立地を選ぶ際は、駅から近い、人通りが多いといった条件だけで判断しないことが大切です。人口や人口密度、年齢構成、人口の増減、周辺の歯科医院、交通手段などを調べ、開業後に想定する患者層や診療内容に適した地域かを確認しましょう。

周辺の歯科医院についても、単純な医院数だけで判断するのではなく、診療内容や診療時間などを確認する必要があります。競合医院が少ない地域であっても、人口や人口構成などを踏まえると、想定する患者需要を十分に見込めない可能性があるためです。

また、統計上の診療圏だけでなく、実際に患者さんが来院しやすいかという視点も欠かせません。自動車での来院が多い地域なら駐車場、子育て世帯が多い地域ならベビーカーや自転車での来院など、地域の生活環境を踏まえて視認性やアクセスを確認します。

物件そのものが歯科医院に適しているかも、契約前に確認しましょう。歯科医院では、給排水、電気、空調、医療機器の設置スペースや搬入経路など、一般的な店舗とは異なる設備条件があります。希望する診療室やユニット数を確保できるか、必要な工事を実施できるかを設計担当者などに確認したうえで契約することが重要です。

モリタでは、人口構成や周辺歯科医院などを分析する「物件エリア調査」を提供しています。立地を検討する際は、現地の印象だけでなく、客観的なデータも組み合わせて比較するとよいでしょう。

②診療計画に対して設備や内装への投資が過大になる

歯科医院では、ユニットや画像診断機器をはじめとした医療機器、内装工事などにまとまった資金が必要です。設備や内装を充実させること自体が問題なのではありませんが、予定する患者数や診療内容、スタッフ数に対して投資規模が大きすぎると、借入額や返済負担が重くなる可能性があります。

モリタが2020年以降に開業した歯科医師129名を対象に実施した調査では、新規開業した医院の約74%がユニット3台でスタートしていました。

導入ユニット数
全体
:3台が多数派(約64%)
新規開業
:約74%が3台

[グラフ] 3台を選んだ割合

ただし、3台がすべての医院に適しているという意味ではありません。必要なユニット数は、診療方針や患者数、スタッフ体制、診療時間などによって異なります。

設備を選ぶ際には、「導入できるか」ではなく、「開業後にどのように使うか」という視点が重要です。例えば、将来必要になる設備でも、開業後に追加できるのであれば、患者数や診療実績を確認してから導入するほうが現実的かもしれません。

開業時の設備を、診療開始に必要なもの、開業時にあると有効なもの、経営状況を見ながら追加できるものに分けて検討すると、優先順位を整理しやすくなります。

また、導入費用だけでなく、保守、修理、消耗品、将来の更新などにかかる費用も含めて考えることが大切です。初期投資に資金を使いすぎると、開業後のスタッフ採用や集患、追加投資に使える資金が少なくなるため、運転資金とのバランスを確認しましょう。

③開業後を見据えた運転資金を十分に確保していない

開業資金を考える際は、物件取得費や内装工事費、医療機器などの初期費用だけでなく、開業後の医院運営に必要な運転資金も確保する必要があります。

開業直後から患者数や売上が計画どおりに推移するとは限りません。一方、患者数が少なくても、家賃、人件費、水道光熱費、リース料などの支出は発生します。借入金の元金返済も、医院の資金繰りに影響します。

そのため、事業計画では、開業直後から通常時と同じ売上になることを前提にするのではなく、患者数が徐々に増えるケースや、計画を下回るケースも想定することが重要です。

また、追加工事が必要になる、採用活動が長期化する、予定していた時期に開業できないといった想定外の支出も起こり得ます。余裕のない資金計画では、このような状況が生じた際に広告費や採用費など、本来必要な支出まで抑えざるを得なくなる可能性があります。

注意したいのは、会計上の利益と実際の手元資金は必ずしも一致しない点です。利益が出ていても、借入返済や設備投資などによって現預金が減少する場合があります。開業前に月ごとの資金繰りを試算し、開業後も予測と実績を比較できるようにしておきましょう。

④患者数や売上を楽観的に見積もる

事業計画を立てる際、患者数や売上を過大に見積もると、実際の売上が計画を下回ったときに資金繰りが厳しくなる可能性があります。

患者数を予測する際は、商圏人口だけを見るのではなく、地域の人口構成、競合医院、交通手段、診療内容なども考慮します。また、開業しただけで自然に医院の存在が地域へ浸透するとは限らないため、Webサイトや地図情報、看板、内覧会など、開業前後の認知獲得についても計画しておく必要があります。

売上計画についても、開業初月から通常時と同じ患者数が来院することを前提にせず、患者数が徐々に増加するケースを想定しましょう。患者数や売上を「慎重」「標準」「好調」など複数のケースに分けて試算しておくと、計画との差が生じた際に対応しやすくなります。

開業後は新患数だけを確認するのではなく、再診患者数、キャンセル、治療中断、定期管理への移行、診療単価なども確認することが大切です。

例えば、新患が少ないのであれば認知や集患施策に課題がある可能性があります。一方、新患は十分に来院しているのに患者数が増えない場合は、治療中断や再来院など、別の要因を分析する必要があります。

患者獲得を一つの数字だけで捉えず、来院から継続通院までの各段階を確認することで、必要な対策を考えやすくなります。

⑤スタッフの採用や教育を後回しにする

歯科医院の開業では、医療機器や物件の準備と並行して、スタッフ採用も早い段階から計画する必要があります。

モリタの調査では、開業後に困ったこととして約70%が「スタッフ採用・教育」を挙げており、調査項目のなかで最も多い結果となりました。また、新規開業・居抜きの場合の開業時のスタッフ数は平均4.0人で、3~5人でスタートした医院が77.4%でした。

新規開業・居抜き
平均
:4.0人
3~5人
:77.4%

[グラフ] 開業時スタッフ数 新規開業・居抜き

特に歯科衛生士は90%以上の医院が開業時から雇用していた一方、78.1%が採用に苦労した職種として歯科衛生士を挙げています。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」でも、2024年度の歯科衛生士の有効求人倍率は3.08倍となっています。

必要なスタッフを確保できない場合、予定していた診療枠を設けられなかったり、院長や既存スタッフに業務が集中したりする可能性があります。そのため、採用は開業日直前に人数を揃えるのではなく、予定する診療時間、ユニット数、患者数などから必要な職種と人数を逆算して計画しましょう。

また、採用できれば終わりではありません。医院理念や診療方針、仕事内容、役割分担を共有し、受付、診療補助、器材管理、滅菌、患者対応などについて開業前に研修を行うことも重要です。

採用、教育、定着までを一つの計画として考え、欠員や早期退職が発生した場合でも診療を継続できる体制について検討しておきましょう。

⑥診療方針と地域の患者ニーズを十分にすり合わせていない

院長が提供したい診療を明確にすることは、医院の方向性を決めるうえで重要です。しかし、その診療を必要とする患者が地域にどの程度いるのかも確認する必要があります。

地域によって、人口の年齢構成、世帯構成、交通手段、昼間人口などは異なります。例えば、小児歯科やファミリー層を重視する場合と、高齢者への診療や訪問診療を重視する場合では、適した立地や必要な設備、スタッフ体制も変わります。

自費診療を中心にしたい場合も、その診療を提供したいという院長側の希望だけで設備投資や事業計画を決めるのではなく、周辺人口や既存医院の診療内容などを確認することが大切です。

ただし、地域のニーズに合わせることは、院長が実現したい診療方針をすべて変えることではありません。重要なのは、「自分が提供したい診療」と「地域で求められる診療」の接点を探すことです。

そのためには、開業前に診療圏調査などで地域のニーズを把握し、診療方針、立地、内装・設備、スタッフ構成、情報発信まで一貫した計画を立てる必要があります。

また、地域の状況や患者のニーズは開業前の調査だけですべて把握できるものではありません。開業後に実際の患者層や相談内容、来院理由などを確認しながら、診療体制や情報発信を必要に応じて見直すことも大切です。

⑦経営や院内運営について学ばないまま開業する

勤務医から開業医になると、歯科医師として診療を行うだけでなく、医院の経営者としてさまざまな判断を行う必要があります。

モリタの調査では、「開業時にもっとこうしておけばよかったこと」として、約40%が「開業前にもっと経営を学ぶべきだった」と、最も多い項目となりました。スタッフ採用・教育、資金計画、集患・広報なども上位に挙がっており、開業後に直面する課題の多くが医院経営に関わっていることが分かります。

医院経営では、売上だけを確認すればよいわけではありません。患者数や診療単価、人件費や家賃などの固定費、借入返済、現預金残高、スタッフ数、設備の稼働状況など、複数の情報を確認する必要があります。

また、スタッフを雇用すれば、採用、教育、労務管理、役割分担などの組織運営も必要になります。院内ルールや責任範囲が曖昧なまま開業すると、業務が特定のスタッフや院長個人の経験に依存し、問題が発生した際の対応も属人化しやすくなります。

税理士や金融機関、開業支援担当者など専門家の力を借りることは重要ですが、すべてを任せきりにするのではなく、院長自身も事業計画や医院の数字を理解し、最終的な判断を行えるようにしておきましょう。

開業前に、毎月どの数字を確認するのか、誰がデータを集計するのか、計画との差が生じた場合にどのように原因を確認するのかまで決めておくと、開業後の問題を早い段階で把握しやすくなります。

7つの原因はそれぞれ独立しているわけではありません。例えば、物件や設備への投資が大きくなったうえに、患者数が計画を下回れば、資金繰りが厳しくなり、追加の採用や集患施策に資金を使えなくなることもあります。

そのため、歯科医院の開業では一つの項目だけを見るのではなく、立地、投資、資金、患者、スタッフ、診療方針、経営管理を一つの事業計画として確認することが重要です。

複数の問題が重なると開業後の経営負担が大きくなる

歯科医院の開業では、一つの問題だけで経営が大きく悪化するとは限りません。実際には、初期投資、患者数、スタッフ採用、資金繰りなど、複数の課題が重なることで経営上の負担が大きくなる可能性があります。

例えば、設備や物件への投資が大きい状態で患者数が計画を下回れば、借入返済や固定費の負担が重くなります。さらに、資金に余裕がなくなると、集患や追加採用など、状況を改善するための施策にも十分な費用をかけにくくなる場合があります。

ここでは、複数の問題が重なった場合に想定される代表的なケースを紹介します。

初期投資をかけすぎ、患者数が想定を下回るケース

歯科医院の開業では、物件取得費や内装工事費、医療機器などにまとまった資金が必要です。立地条件のよい物件や充実した設備を選ぶほど、初期投資や借入額が大きくなる場合があります。

一方、開業後の患者数や売上が事業計画どおりに推移するとは限りません。モリタの調査でも、開業後に困ったこととして約51%が「集患・患者獲得」、約32%が「資金繰り」を挙げています。

高額な物件や設備を選び、借入返済や家賃などの負担が大きい状態で患者数が計画を下回ると、手元資金が想定以上のペースで減少する可能性があります。資金余力が少なくなれば、広告や集患施策、追加のスタッフ採用、必要な設備投資などに資金を回しにくくなることも考えられます。

開業時には「初期費用を支払えるか」だけで判断するのではなく、患者数や売上が計画を下回った場合でも医院運営を継続できるかを確認することが重要です。慎重な売上シナリオも含めて資金繰りを試算し、開業後に一定の資金余力を残せる計画を立てましょう。

スタッフ不足で診療体制が十分に整わないケース

歯科医院では、歯科医師だけでなく、歯科衛生士、歯科助手、受付など複数のスタッフが役割を分担して診療や医院運営を行います。

モリタの調査では、約70%が開業後の困りごととして「スタッフ採用・教育」を挙げています。特に歯科衛生士は、多くの医院が開業時から必要とする一方、採用に苦労しやすい職種です。

必要なスタッフが開業までにそろわなければ、予定していた診療枠や役割分担を組めない可能性があります。その結果、院長や一部のスタッフに、診療だけでなく受付、器材管理、スタッフ教育などの業務が集中することも考えられます。

スタッフ採用は、開業直前に必要な人数をそろえるだけでは十分ではありません。予定する診療時間、ユニット数、患者数などから必要な職種と人数を逆算し、採用活動や開業前研修まで含めて事業計画に組み込みましょう。採用が計画どおりに進まなかった場合に、どの程度の診療体制で開業するのかも事前に考えておくことが大切です。

診療方針と地域ニーズが合わず、患者獲得に苦戦するケース

歯科医院を開業する際には、「どのような診療を提供したいか」という院長の方針を明確にすることが大切です。ただし、その診療を必要とする患者層が、開業予定地域にどの程度いるのかも確認する必要があります。

例えば、院長が提供したい診療を中心に設備や内装を整えても、地域の年齢構成や世帯構成、交通手段、周辺医院の診療内容などと十分に合っていなければ、想定した患者層の来院が伸びない可能性があります。

モリタの物件エリア調査では、人口や人口密度だけでなく、年齢・男女別の人口構成、人口推移、周辺歯科医院、商圏特性などを確認できます。こうしたデータも活用しながら、予定している診療内容や患者層と開業予定地域が合っているかを確認することが重要です。

地域のニーズに合わせることは、院長が実現したい診療方針をすべて変えることではありません。「自分が提供したい診療」と「地域で求められる診療」の接点を探し、立地、設備、スタッフ構成、情報発信まで一貫した計画を立てることが大切です。

このように、歯科医院の開業では、物件、設備、患者数、スタッフ、資金などが相互に影響します。一つひとつのリスクを個別に確認するだけでなく、複数の問題が同時に起きた場合でも医院経営を維持できる計画になっているかという視点で確認しましょう。

歯科医院の開業失敗を防ぐために確認したいこと

歯科医院の開業では、物件、資金、設備、集患、スタッフ採用など、多くのことを同時に決めていく必要があります。準備が進んでから問題に気付くと、物件や設備の変更が難しくなったり、追加費用が発生したりする場合があります。

そのため、開業リスクを抑えるには、変更しにくい項目ほど早い段階で確認することが重要です。ここでは、開業前に確認しておきたいポイントを4つに分けて紹介します。

立地・物件を契約する前の確認事項

歯科医院の開業地や物件は、一度契約すると簡単には変更できません。駅からの距離や人通り、家賃だけではなく、予定する患者層や診療方針との相性まで確認してから決定しましょう。

まず、どのような患者さんに来院してほしいのか、どのような診療を中心に提供するのかを整理します。そのうえで、地域の人口や年齢構成、世帯構成、人口の増減、周辺の歯科医院、交通手段などを確認します。

現地では、可能であれば曜日や時間帯を変えて、人通りや交通状況を確認しましょう。駐車場や駐輪場、道路からの視認性、入口までの動線など、患者さんが実際に来院する場面を想定して見ることも大切です。

また、希望する診療室やユニット数を確保できるか、給排水、電気、空調、医療機器の設置場所や搬入経路などに問題がないかについても、設計担当者などの専門家と確認します。最終的には、家賃や土地費を含めても無理のない事業計画が成立するかまで確認してから契約しましょう。

資金・設備を決定する前の確認事項

開業資金を考える際は、内装工事や医療機器など開業までに必要な資金だけでなく、開業後の医院運営に必要な運転資金も分けて考えることが重要です。

開業後は患者数や売上が計画どおりに増えるとは限りません。一方で、家賃、人件費、水道光熱費、リース料などの支出は継続的に発生します。

資金計画では、開業初月から通常時と同じ売上になることを前提にせず、患者数が徐々に増えるケースや、計画を下回る慎重なケースも想定しましょう。借入金の返済額を含めて月ごとの資金繰りを試算し、手元にどの程度の現預金が残るのかを確認することが大切です。

設備についても、「導入できるか」だけではなく、「なぜ必要なのか」「どの程度稼働する見込みなのか」という視点で判断します。診療開始時に必要な設備と、患者数や診療内容の拡大に合わせて後から追加できる設備を分けると、投資の優先順位を整理しやすくなります。

集患・診療体制を整える際の確認事項

集患を考える際は、広告を出して新患数を増やすことだけを目的にするのではなく、「誰に来院してほしいのか」「どのような診療を提供するのか」「医院の特徴をどのように伝えるのか」を整理することが重要です。

地域の年齢構成や世帯構成、既存歯科医院の診療内容などを確認し、自院が予定している診療内容と地域の患者ニーズに大きなずれがないか確認しましょう。

そのうえで、「子育て世帯が通いやすい診療時間」「予防専用スペースを設ける」「カウンセリングに時間を確保する」など、患者さんにとってどのようなメリットがある医院なのかを具体化します。

開業前から、ホームページ、Googleマップ、看板、内覧会など、医院の存在を地域に知ってもらう方法も準備しておきましょう。

また、集患は新患が来院した時点で終わりではありません。予約受付やキャンセル時の対応、治療中断を防ぐための連絡、定期管理への移行など、患者さんが継続して通院しやすい診療・予約体制についても準備しておくことが大切です。

スタッフ採用・教育に関する確認事項

スタッフ採用は、開業日までに必要な人数をそろえるだけの準備ではなく、どのような診療体制をつくるかを決める事業計画の一部です。

予定する診療時間、ユニット数、患者数などから、歯科衛生士、歯科助手、受付など必要な職種と人数を整理し、いつまでに採用する必要があるのかを逆算して採用活動を始めましょう。

求人を始める前には、勤務時間、休日、給与、福利厚生などの雇用条件に加えて、仕事内容や役割分担も明確にします。また、医院理念や診療方針を求人や面接の段階から伝えることで、院長が目指す医院と応募者の考え方に大きなずれがないか確認しやすくなります。

採用後は、受付対応、診療補助、予約管理、器材の管理・滅菌、患者対応などについて開業前研修を行い、共通のルールを確認しておきましょう。

必要な人数を予定どおり採用できない場合も想定し、採用が遅れた場合や開業後に欠員が出た場合に、診療時間や予約枠をどのように調整するのかも考えておくことが大切です。

開業後に経営悪化を早期に把握するためのポイント

開業前に十分な準備をしていても、実際の医院経営がすべて計画どおりに進むとは限りません。

経営上の問題が大きくなる前に対応するためには、売上だけではなく、患者数、継続来院、スタッフやユニットの稼働、現預金などの変化を定期的に確認することが重要です。

一律の基準だけで判断するのではなく、開業前に立てた事業計画や過去の実績と比較しながら、自院の変化を把握しましょう。

患者数や売上が計画どおりに推移しているか

患者数や売上が計画を下回ったとしても、1か月だけの結果で経営状態が悪化していると判断する必要はありません。季節や診療日数などによる変動もあるため、複数月の推移を確認しましょう。

一方、継続して計画を下回っている場合は、原因を分けて確認することが重要です。

例えば、売上が計画を下回っている場合でも、患者数そのものが少ないのか、診療単価が想定と異なるのかによって必要な対策は変わります。患者数が少ない場合も、新患が少ないのか、再来院につながっていないのかなど、さらに原因を分けて考えましょう。

新患数だけでなく、初診・再診の患者数、キャンセル後の再予約、治療中断、定期管理への移行なども確認することで、患者獲得から継続来院までのどこに課題があるのかを把握しやすくなります。

キャンセルや治療中断が増えていないか

新患数や予約件数とあわせて、キャンセルや治療中断の変化にも注意しましょう。

キャンセルが発生しても、その後に予約を取り直して来院していれば、必ずしも患者数の減少につながるとは限りません。そのため、キャンセル件数だけでなく、その理由や、その後に再予約・来院しているかまで確認することが重要です。

また、治療途中や定期管理の途中で来院しなくなる患者が増えていないかも確認しましょう。

キャンセルや治療中断が増えている場合は、予約の取りやすさ、待ち時間、患者さんへの説明や連絡方法、診療体制などに改善できる点がないか検討します。

スタッフやユニットの稼働に偏りがないか

患者数や売上とあわせて、スタッフやユニットがどのように稼働しているかも確認しましょう。

曜日や時間帯によって予約状況に差があったり、特定のスタッフやユニットに予約や業務が集中したりすることがあります。こうした状況を把握せずにスタッフや設備を増やすと、人員や設備が過剰になる可能性があります。

反対に、特定の時間帯に予約が集中しているにもかかわらず、スタッフやユニットが不足していれば、予約を受けられる枠が限られることも考えられます。

また、院長や特定のスタッフに診療、予約管理、スタッフ教育、院内管理などの業務が集中していないかも確認しましょう。

予約数や来院状況を曜日別、時間帯別、スタッフ別、チェア別などに確認し、診療時間やスタッフ配置、設備の追加が本当に必要なのかを判断する材料として活用することが大切です。

現預金が想定より早く減っていないか

患者数や売上とあわせて、現預金の推移にも注意が必要です。

売上や利益が確保できていても、借入金の返済、設備代金、税金などの支払いによって、手元の資金が減少する場合があります。

そのため、現在の預金残高だけを見るのではなく、月ごとの資金繰りと今後予定されている支払いを確認しましょう。

「当初の計画ではどの程度の現預金が残る予定だったのか」と「実際にどの程度残っているのか」を比較し、差が大きくなっている場合には、売上不足なのか、費用が計画を上回っているのか、設備投資などの一時的な支出が原因なのかを確認します。

計画より速いペースで資金が減っていることが分かった段階で原因を確認し、自院だけで対応することが難しい場合には、税理士や金融機関などの専門家へ早めに相談しましょう。

経営状況を継続的に確認できる仕組みを整える

経営状況を定期的に確認するには、必要な情報を無理なく把握できる仕組みを整えておくことも大切です。

患者数、予約、キャンセル、診療単価、売上などをそれぞれ別の資料から手作業で集計すると、確認に時間がかかり、忙しくなるにつれて分析を続けにくくなる可能性があります。

そのため、開業前から「何を確認するのか」を決めるとともに、必要な数値を継続して確認できる方法も検討しておきましょう。

財務面では、会計データや資金繰り表などを利用して、固定費、借入返済、現預金残高などを確認します。患者・予約・診療・設備稼働といった医院運営に関するデータについては、予約管理システムや経営分析ツールなどを活用する方法があります。

モリタの「Genifix Plus」に搭載されている医院経営サポート機能「Geniboard」では、売上金額、予約数、患者数などのデータを取得して一元管理し、グラフや表で確認できます。また、月間患者数を初診・再診・再初診に分けたり、キャンセル後の予約・来院状況などを確認したりすることもできます。

[図] Genifix Plus 医院経営サポート機能

こうした仕組みを利用する目的は、数値を細かく管理すること自体ではありません。経営上の変化を早めに把握し、「なぜ計画との差が生じているのか」「どこを見直す必要があるのか」を考える材料として活用することが重要です。

Genifix Plusについて詳しく見る

開業前・開業後に専門家へ相談したいタイミング

歯科医院の開業では、物件選び、資金調達、設備導入、設計、スタッフ採用など、専門的な判断が必要になる場面が数多くあります。

すべてを院長だけで判断するのではなく、必要に応じて開業支援担当者、金融機関、税理士、設計担当者、社会保険労務士などへ相談することが大切です。

特に、物件契約や設備発注、設計確定など、決定後の変更に費用や時間がかかる事項は、決定する前に相談しましょう。

物件や土地を契約する前

開業候補となる物件や土地が見つかったら、契約前に開業支援担当者や不動産会社、設計担当者などへ相談しましょう。

診療圏だけでなく、建物条件、希望するユニット数やレイアウト、給排水や電気、医療機器の搬入経路なども確認する必要があります。

家賃や土地費、保証金、共益費、追加工事などを含めても事業計画上無理のない負担になっているかを確認したうえで契約することが重要です。

融資申請や設備発注を行う前

融資の申請や高額な医療機器の発注を行う前には、金融機関や税理士、開業支援担当者などと資金計画を確認しましょう。

「いくら借りられるか」だけで判断するのではなく、借入額、返済期間、毎月の返済額、開業後に残る現預金まで含めて考えることが重要です。

設備についても、予定する患者数、診療内容、スタッフ数に対して必要かを確認し、開業時に必要なものと後から追加できるものを分けて検討しましょう。

設計やレイアウトを確定する前

歯科医院の設計は、内装のデザインだけでなく、開業後の診療やスタッフの働き方にも大きく関わります。

予定する診療内容や患者数、ユニット数、スタッフ数をもとに、患者、スタッフ、器材それぞれの動線を確認しましょう。

また、将来的なユニット増設やスタッフ増員を想定している場合には、それらを実現できるスペースや設備条件があるかも確認しておくことが大切です。

レイアウト確定後の給排水や電気、壁の位置などの変更は、追加費用や工期の延長につながる可能性があります。開業後の診療オペレーションまで想定してから設計を確定しましょう。

スタッフ採用を始める前

スタッフ採用を開始する前には、必要な職種や人数に加えて、雇用条件、役割、求める人材像を整理しておきましょう。

予定する診療時間、ユニット数、患者数などから必要な人員を整理し、業務内容、勤務時間、休日、給与などの条件を明確にします。

条件面だけでなく、「どのような医院にしたいのか」「患者さんにどのように接してほしいのか」といった医院理念や診療方針も整理しておくと、求人や面接で医院の考え方を伝えやすくなります。

労働条件や社会保険などについて不明な点がある場合には、社会保険労務士などへの相談も検討しましょう。

開業後に事業計画との差が続いたとき

専門家への相談は開業前だけでなく、開業後も重要です。

患者数や売上が複数月にわたって計画を下回っている、現預金が想定より速く減っている、スタッフ採用が進まない、退職によって診療体制の維持が難しくなっているなどの変化が見られる場合には、早めの相談を検討しましょう。

相談先は課題によって異なります。資金繰りであれば金融機関や税理士、採用・労務であれば社会保険労務士、立地や設備、医院運営については開業支援担当者など、問題に合った専門家へ相談することが大切です。

経営状況が大きく悪化してからでは、選択できる対策が限られる可能性があります。計画との差が継続して現れた段階を、相談する一つのタイミングと考えましょう。

事前の確認と開業後の改善が失敗リスクを抑える

歯科医院の開業では、立地・物件選び、資金計画、設備投資、集患、スタッフ採用など、さまざまな判断が必要です。どれか一つだけを適切に進めればよいのではなく、それぞれの計画に無理がないかを総合的に確認することが重要です。

また、開業後の問題は、一つの原因によって突然起こるとは限りません。初期投資、患者数、スタッフ、資金など、複数の小さな計画のずれが重なることで、経営上の負担が大きくなる場合があります。

そのため、開業前には患者数や売上が順調に伸びるケースだけでなく、計画を下回る慎重なシナリオも含めて事業計画を検証しましょう。患者数が想定より少ない場合でも借入返済や固定費を負担できるか、必要な運転資金を確保できるか、スタッフ採用が計画どおりに進まない場合でも診療体制を維持できるかなどを確認しておくことが大切です。

開業後は、患者数や売上、継続来院、スタッフ・ユニットの稼働、現預金などを定期的に確認し、事業計画との差を把握しましょう。差が見つかった場合には原因を確認し、問題が小さい段階で改善を続けることが、経営上のリスクを抑えることにつながります。

また、物件契約や設備発注、医院設計など専門的な判断が必要な場面や、開業後に計画との差が継続している場合には、専門家へ相談することも大切です。

モリタでは、開業を検討している歯科医師に向けて、物件エリア調査や資金計画、医院設計、医療機器の選定、開業スケジュールなど、開業計画に応じた相談を受け付けています。開業準備を進めるなかで判断に迷うことがあれば、早い段階から相談しながら計画を具体化していきましょう。

歯科医院の開業計画についてご相談ください

歯科医院の開業では、物件選びから資金調達、医院設計、設備導入まで、多くの項目を同時に検討する必要があります。

モリタでは、開業を検討している歯科医師の方に向けて、立地・物件、資金計画、医院設計、医療機器、開業スケジュールなど、現在の準備状況に応じた相談を受け付けています。

「候補物件について相談したい」「開業資金がどの程度必要か確認したい」「医院設計や設備選びを具体的に進めたい」など、開業計画に関する疑問や不安がある方は、モリタへご相談ください。

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