調査概要
調査対象:- モリタ友の会無料会員の既開業歯科医師
- 1980〜1999年生まれ
- 2008〜2020年大学卒業
調査方法: Webフォーム回答
調査期間: 2025年10月〜11月
回答者属性
平均年齢: 38.9歳 (中央値39歳)
![[グラフ] 回答者年齢](../img/2026/0430_1_fig_01.png)
開業後年数: 平均 2.4年 (中央値 2年)
![[グラフ] 開業後年数](../img/2026/0430_1_fig_02.png)
開業時平均年齢: 36.5歳
▶ 多くの先生が「開業から間もない段階」で課題に直面していることが分かります。
開業後に最も困ったこと
(複数選択/回答率)
- スタッフ採用・教育 :約70%
- 集患・患者獲得:約51%
- 資金繰り:約32%
- 業務効率化(IT・DX):約21%
![[グラフ] 開業後に最も困ったこと](../img/2026/0430_1_fig_03.png)
困りごとは診療技術ではなく、
組織運営・経営領域に集中
しています。
「開業すれば診療に集中できる」というイメージと、実態とのギャップが浮き彫りになりました。
患者満足度向上に効果があった取り組み
(複数選択/回答率)
- 接遇・丁寧な説明 :約40%
- 内装や快適さの工夫:約18%
- Web予約システムの導入:約12%
![[グラフ] 患者満足度向上に効果があった取り組み](../img/2026/0430_1_fig_04.png)
高額な医療機器投資よりも、
- 説明力
- スタッフのホスピタリティ
- 患者体験(UX)
といった ソフト面の充実が評価されている ことが分かります。
「もっとこうすればよかった」と感じていること
(複数選択/回答率)
- 開業前にもっと経営を学ぶべきだった :約40%
- スタッフ採用・教育に時間をかけるべきだった:約32%
- 資金計画を慎重に立てるべきだった:約22%
- 集患・広報活動をもっと行うべきだった:約17%
![[グラフ] 「もっとこうすればよかった」と感じていること](../img/2026/0430_1_fig_05.png)
多くの先生が、「経営者になる準備が足りなかった」と振り返っています。
採用、資金、集患といった項目も上位に挙がっており、開業前後で「経営者としての準備不足」を感じる先生が多いことが分かります。
データから読み解く開業形態別の医院経営ポイント
調査結果を開業形態別に読み解くと、医院経営において意識すべきポイントが異なることが分かります。
承継開業(特に親子承継)の場合
承継開業では、立地や診療圏がすでに定まっているケースが多く、 「どこで開業するか」よりも「既存患者や地域との関係性をどう維持・発展させるか」が重要になります。
- 立地は既に決定しているケースが多い
- 地域との信頼関係・既存患者との関係性が運営の土台
- 設備や内装の刷新だけでなく、診療方針や説明の一貫性が求められる
新規開業の場合
一方、新規開業では、開業初期の集患スピードが経営の安定度を大きく左右します。
- 交通アクセスや視認性など立地条件の影響が大きい
- Webや看板など、開業初期の情報発信が重要
- ブランディングや患者への伝え方次第で初速に大きな差が生じる
▶ データからは、 開業形態ごとに重点を置くべき経営施策が大きく異なる ことが読み取れます。
データから見えた「後悔しないための経営ポイント」
最後に、今回の調査結果から多くの先生に共通して見られたポイントを整理します。
開業前に意識しておきたいこと
多くの先生が開業後に課題として挙げたのは、診療以外の経営領域でした。 開業前の段階で、以下の点を意識しておくことが重要と考えられます。
- 経営や数字に対する理解
- スタッフ採用・教育を見据えた体制づくり
- 資金計画と投資の優先順位付け
開業後1年目に特に重要なポイント
開業後は、日々の診療に追われる中でも、運営を安定させるための取り組みが求められます。
- 院内オペレーションの整理・標準化
- スタッフが定着しやすい環境づくり
- 患者体験を意識した継続的な改善
まとめ
今回の調査結果は、特定の成功事例や失敗談ではなく、
実際に多くの開業歯科医師が直面してきた共通の課題
をデータとして可視化したものです。
開業前後の段階でこうした傾向を知っているかどうかで、 経営判断や優先順位の付け方は大きく変わります。
本記事が、先生ご自身の医院経営を考える際のヒントとなれば幸いです。


