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歯科開業医129名のデータで読み解く「スタッフ採用と定着が医院経営を左右する理由」

歯科開業医129名のデータで読み解く「スタッフ採用と定着が医院経営を左右する理由」

2026/06
ポイント

歯科医院を開業した後、多くの歯科医師が直面する課題の一つが、スタッフの採用や人材に関する悩みです。
実際、「人の確保」「採用の難しさ」は、開業後の相談テーマとして上位に挙げられています。

◆2020年以降に開業した歯科医師129名 を対象に実施したアンケート調査をもとに、

特別な成功例や失敗例ではなく、同世代・同条件の歯科医師が実際に経験している
「平均的な人事の実態」をデータから読み解き、

  • 開業時のスタッフ人数や職種構成
  • 採用面で直面した課題

を整理し、これから開業を迎える先生、または開業後間もない先生にとって、ご自身の判断や現状が大きくズレていないかを確認するためのポイントをまとめました。

調査概要

調査対象
  • モリタ友の会無料会員の既開業歯科医師
  • 1980〜1999年生まれ
  • 2008〜2020年大学卒業
有効回答数
  • 129名(2020年以降開業者のみ集計)
調査方法
  • Webフォーム回答
調査期間
  • 2025年10月〜11月

回答者属性

平均年齢
  • 38.9歳(中央値39歳)

[グラフ] 回答者年齢

開業後年数
  • 平均 2.4年(中央値 2年)

[グラフ] 開業後年数

開業時平均年齢
  • 36.5歳
!

本調査は、平均39歳・開業2年前後という、
勤務医から経営者へと移行する転換期にある歯科医師の
リアルな声
をまとめたものです。

開業時のスタッフ人数の平均像(全体)

開業時のスタッフ人数については、「何人から始めるのが一般的なのか」が分かりづらく、相談できる相手がいないまま判断に迷うケースも少なくありません。

そこでまずは、開業形態を問わず、全体としてどの程度の人員体制で歯科医院がスタートしているのかをデータから確認します。

全体のスタッフ人数
平均雇用人数
:5.3人
中央値
:4人
3~5人が69%

[グラフ] スタッフの人数の内訳

!

開業時は3~5人程度の小~中規模体制からスタートする医院が
最も多く、大人数での立ち上げは少数派です。

開業形態別に見る違い

開業時のスタッフ構成は、一律の正解があるものではなく、選択する開業形態によって前提条件が大きく異なります。

新規開業や居抜き開業では、必要最小限の人数から始めるケースが多い一方で、承継開業では、スタッフを引き継いだ状態で経営がスタートするという特徴があります。

ここでは、開業形態ごとに「開業時のスタッフ人数」にどのような違いがあるのかを、データをもとに整理していきます。

新規開業・居抜き
平均
:4.0人
3~5人
:77.4%

[グラフ] 開業時スタッフ数 新規開業・居抜き

!

新規開業・居抜き開業では、
3~5人程度の少人数体制からスタートする医院が一般的です。

承継(親子・第三者)
平均
:7.0人
6人以上
:約50%

[グラフ] 開業時スタッフ数 承継(親子・第三者)

!

承継開業は、人員を引き継いだ状態でスタートするため、
開業時からスタッフ数が多く、経営・マネジメントの
負荷が高い
傾向にあります。

歯科衛生士は「必須」であり、同時に「最大の採用課題」

歯科医院の人事を考えるうえで、歯科衛生士は特別な存在です。
多くの医院で開業当初から配置されており、診療体制や医院価値を支える欠かせない人材として位置付けられています。

一方で、実際の開業現場では、歯科衛生士の採用に最も苦労しているという声も少なくありません。
「いるのが当たり前」でありながら、「安定して確保するのが最も難しい」。
この矛盾した状況こそが、開業時の人事における大きな特徴と言えます。

ここでは、アンケートデータをもとに、歯科衛生士がどの程度雇用されているのか、そして採用面ではどのような課題が浮き彫りになっているのかを整理します。

歯科衛生士の存在感
開業時に雇用している割合
:90%以上

[グラフ] 開業当初から歯科衛生士を雇用している場合

!

歯科衛生士は、ほぼすべての医院で開業当初から配置されており、
診療体制・医院価値を支える人材となっています。

採用で最も苦労する歯科衛生士
歯科衛生士
:78.1%が「採用に苦労」

[グラフ] 採用に苦労する職種

!

歯科衛生士は多くの医院で開業当初から雇用されている一方、
採用においては最も苦戦している職種でもあります。

まとめ

データから明らかになったのは、歯科衛生士が開業形態を問わず
ほぼすべての医院で開業当初から配置されている前提人材である一方、
採用面では最も苦労している職種であるという現実です。
歯科衛生士は、診療体制や医院価値の根幹を担う存在でありながら、
安定的な確保が難しく、開業時点における最大の人事上のボトルネックとなっています。

また、開業時のスタッフ人数を見ると、多くの医院が無理に人員を増やさず、
小~中規模の体制で堅実にスタートしている傾向が確認されました。
一方で、人員数を抑えたスタートであっても、
人材の確保や定着がその後の医院経営に与える影響は大きく、
人事は決して後回しにできない経営課題であることがうかがえます。

これらの結果から、歯科医院経営における人事の課題は、
単に「人数をそろえる」ことではなく、どのような人材を、どのような環境で迎え入れ、
定着させるかという質と環境づくりにあることが示唆されました。

本調査で示された内容は、特定の成功事例や失敗事例ではなく、多くの開業歯科医が実際に直面している現実的な人事のプロセスをデータに基づいて整理したものです。
今後の歯科医療提供体制の維持・発展を考えるうえでも、
開業時からの人材確保および人事設計の重要性を改めて共有する資料として参考にしていただければ幸いです。

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