誤魔化せません！その「金属代」

今回は開業とは少しテーマが違いますが、これから開業する方には是非知っておいてほしい知識です。

この10年だけでもパラジウムなど金属代が大幅に値上がりしました。
自動車部品の拡大や円安など様々な要因がありますが、診療材料も高騰して嘆く医院が増えました。それに伴い金属回収業者に処分する金属代も増えました。昔は20万円～30万円が多かったと思いますが、今は50万円～100万円とかなりの金額になります。

そこで気をつけたいのが「税務調査」です。歯科医院に税務調査が入ると必ず調べられるのが撤去冠収入。医院に収入がないか必ず確認されます。「ない」とウソの回答をしても、そのまま信じるほど税務署は甘くありません。必ず金属回収会社に照会をかけるので、たとえ誤魔化してもこれでバレます。

妙な噂を鵜呑みにしても一利なし！

ひと昔前は「金属代は現金でもらえばバレない」という噂が歯科医師の間でささやかれていたそうです。昔は金額が小さいので調査の優先順位が低かったせいかも知れません。でも、今は昔とは違います。額面が大きいので必ず調べる項目に入っています。

特に医療法人にしている方は必ずもれなく計上してください！法人で撤去冠収入の計上漏れがあると、院長が売却代金を取得したとみなされます。その場合は役員賞与として所得税と法人税がダブルで課税されます。さらに重加算税のペナルティも加わるので、誤魔化そうとした金額を、結局ほとんど支払うことに。しかも法人の場合、７年遡ってチェックされます。どう考えても良い事はひとつもありません！「撤去冠は必ず収入に計上する」と覚えておいてください。

抜け道はありません！正しい知識の習得を

正直、税金を払いたくない気持ちは分からなくもないのですが…開業すると税金は避けて通れないもの！として覚悟が必要です。
開業前は、前出のような間違った裏技を語る怪しいウワサや都市伝説？に、つい耳を貸してしまいがちですが、どうぞ正しい知識を身につけてください！「税金は支払うもの」と割り切り、稼いだお金から正しく納税し、残ったお金で生活しましょう。

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