外注費?それとも給与?
開業した医院が一般歯科の場合、必要に応じて外部から矯正医を呼ぶことがあります。これは決して珍しくないケースです。今回はそんな場合の契約についてお話します。
まず矯正医への労働対価の支払い方法ですが、「給与」として支払う場合と「外注費」として扱うやり方があります。以前は給与が多数派でしたが、今は外注費として扱う方が増えています。どちらも矯正治療を行うことに変わりはありませんが、契約形態により取り扱いが違いますので注意が必要。
特に、外注費にするときは下のような条件が必要です。
① 業務委託契約書があるか(支払い条件などを明記)
② 外注費を収受した者が確定申告をしているか(事業所得で申告)
③ 一身専属的でない(1か所だけでなく複数の医院で業務を行う)
④ 材料の器具の提供を受けていない
⑤ 得意先(医院)から指揮監督を受けることなく、自身の意思で業務を完遂する
給与認定された場合の確認事項
その他にもありますが、これらの要件を総合的に判断することになっています。
条件的に外注費の扱いにならない場合は給与扱いになります。
給与と認定されると
①源泉所得税が発生する
②原則課税の場合、消費税の仕入税額控除が適用できない (簡易課税は大丈夫です)
…ということになりますので気をつけてください。
ただし!歯科医院の場合、免税事業者か簡易課税のところがほとんどです。その場合は消費税の金額に影響はありません。一方、自費収入が年間5000万円を超える規模の大きな歯科医院の場合は要注意です。
さて、今年もあっという間に年末になりました。コロナは相変わらず続いていますが、経済は以前の状態に戻りつつあります。いつまでも気にしてはキリがありません。新しい年に向けて医院経営・開業準備をがんばりましょう!
それではよいお年をお迎えください。
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