“想い”と“資金”のバランス
前回 「開業には5000万円~6000万円くらいは必要」と書きました。
特に最近は歯科用CTやミリングマシン、マイクロスコープなどを最初から購入する医院も増えました。高性能な器材を揃え、精度の高い診療に向き合いたい。そんな思いが強い先生ほど、このような設備投資にお金をかける傾向が見受けられます。
ただ「資金」としてみると、設備投資が増えればそれに対する借入金も増えることに。毎月の売上から借入返済を行うため月々の負担も増えます。売上が少ないと返済が滞りがちになり資金ショートにもなりかねません!
ということで、今回は「売上金額と経費の支払い」について確認しましょう。
事業計画のベースになる売上予想
開業する先生はご自身の医院が軌道に乗った際、どれだけ売上を上げられるか想定しておく必要があります。売上の目安は、現在勤務されている医院の売上が参考になります。
そして、毎月の保険診療と自費診療の金額について、それぞれどれくらい売上をあげているかを調べます。その額面を基準にして開業1年後の売上を見込みます。
仮に毎月600万円の売上があるなら8000万円の借入をしても返済は可能です。ですが、月300万円の売上がピークであれば返済は厳しくなってきます。このように、自身の予想売上を冷静に見極める必要があります。そしてその売上に合わせ開業計画を作成します。
最初から完ぺきでなくても!
冒頭で、最近は開業時から良い器材を揃える先生が増えていると書きましたが、もちろん最初から全て揃えて、重点的に設備投資する必要はありません。器械にも先生によって絶対に必要なものとそうでないものがあります。
開業時は最低限で準備し、患者さんの増加に合わせて揃えるのも方法です。チェア3台を予定する医院でも、もし予算的に難しければ最初は2台で開業すればOK!ある程度患者さんが増えて軌道に乗ったタイミングでチェアを追加すれば良いのです。もちろん資金があり売上を見込めるなら、最初からフルラインナップで勝負です。
成功までのプロセスも大切に
このように、先生によって資金都合はさまざまですが、理想の医院をつくり患者さんを迎える。それが一番望ましい方法です。
前述のように誰もが潤沢な資金を用意できる訳ではありません。少ない資金でも、その売上に見合った開業をしましょう。まず開業して売上を伸ばし、そこから理想の医院に近づける。そんなプロセスも独立開業の醍醐味ではないでしょうか。
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