開業計画におけるコロナの影響は?
コロナ禍になりもう2年以上が経ちます。当初はこんなに長引くとは思いもしませんでした。感染者が減り、ようやく街中に人が増え始めたタイミングでまた新たな変異株が出て逆戻り、という状況が続いています。さすがにもう辟易といったところでしょうか。
ただ、目線をこのコラムのテーマ「開業」に移してみると悪い話だけではありません。このような時期でも開業する方は少しずつ増えているのです。
(株)モリタさんの会員アンケートでも「開業時期に影響なし」と答えた方が64.5%おられたと聞きました。2021年を振り返っても、初めて緊急事態宣言がでた2020年より開業件数は増えています。ですが、逆に開業の延期や中断を決断する人も30%近くおられたようです。コロナ禍で開業をためらう先生がたも少なくないようです。
集患にも好影響!? 30代は開業適齢期
そんな結果を受けて、頭に浮かぶのが「開業適齢期」というキーワードです。歯科の開業年齢は35歳前後が最も多くなっています。30代といえば体力も気力も十分の時期!その頃に開業する方が“踏ん張り”もきき、イザという時も頑張れます。実際、私の知る限り若い年齢で開業した先生のほうが成功されている印象があります。あくまで診療収入だけの話ですが、30代など若いうちの開業が売上を上げやすい傾向にあるようです。
一方、治療(臨床)技術は、経験を重ねた方が上がります。同じ人でも30代より40代の方のほうが治療経験が増え、技術力も上がっていきます。確かに、知識も経験もあるのは40代の方でしょう。
でも「患者さんの集客」に関しては、年齢が若い方が有利に働く」という側面があることも忘れないでください。患者さんの立場だと若い先生の方が何かと話しやすく感じます。働くスタッフたちも、自分と年齢が近い院長のほうがコミュニケーションがとりやすいのが本音でしょう。集客力のある医院をつくるには(院長に対する)話しやすさは意外と重要です。そんなことからも、私は常に「若い時期の開業」を勧めています。
限られた時間を無駄にしないで
コロナ禍で不安という気持ちは理解できます。でも、開業を控えて様子見に1年2年という貴重な月日を費やすのは、30代という最もエネルギーのある時期を無駄にしてしまうことに。開業適齢期に、これはあまりにもったいないと思うのです。
冒頭で触れたとおり、既存の医院も1年を通すと、ほぼ平常の診療収入に近づいています。新患はやや少なめながら、再診はほぼいつも通りとコロナ前の水準に戻っています。コロナ禍も完全収束と言える状態になるまで、あとどれくらいかかるのか分かりません。30代の大事な時期は今しかありません!先生がたには、ためらわずにぜひ開業に突き進んでほしいと考えています。
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