お客さんの目の前で…!?
吉村家という家系ラーメンの総本山が横浜にあります。美味しいと人気の有名ラーメン店ということもあり、こちらで修行をする人も多く、暖簾分けしたお店もたくさんあります。
以前テレビで、その吉村家のドキュメント番組を見たのですが、店主が修行中の店員を叱りつけるシーンがありました。お客さんがいる店内で大声で怒鳴りつけるので、食事中のお客さんからクレームが出たにも関わらず、そのお客さんにお代を返してまでも尚、叱り続けていました。
これには驚いてしまいましたが、それも一つのスタイルなのでしょう。美味しいラーメンを作るのは厳しい修行が必要。どんなに叱られても“味”を学びたい人たちが働く職場、という印象を受けました。
患者さんも不安に!NGなスタッフ指導
一方、歯科医院でも同じようなケースが!院長が、診療室でスタッフを大声で叱っているのです。院長のどなり声が待合室まで響き、患者さんはもちろん、医院中が不穏な空気になりました。
もしかしたら、そのスタッフに何度も同じ注意をしていたのかも知れません。気持ちはわかりますが、歯科の院長が患者さんの前でスタッフを叱るのはお奨めしません。患者さんから見えない場所だからといって大声で怒鳴るのもダメです。院内に患者さんが居るタイミングでこういうことをするのは逆効果。叱られた本人だけでなく聞いた人(患者さん)も同じくらいイヤな気持ちになってしまいます。
旧時代的な感覚のままでは定着率もダウン
冒頭で人気ラーメン店の話をしましたが、歯科医院は決してそのような厳しい修行の場ではありません!将来独立を目指す人が、カリスマ店主の店で修行しているのではなく、あくまで歯科医院のスタッフです。ましてや今の時代、大声で怒鳴りつけるようなことをしてしまうと、スタッフはすぐに退職の方向に舵を切ってしまいます。
注意する際はなるべく他の人に聞かれないところに呼び、静かに落ち着いて。厳しい口調でなく、優しく、諭すようなイメージで注意・説明することを心がけましょう。
こんな“叱り方” でスタッフのやる気もUP
そして、褒めることも忘れずに!褒める時は、逆に他スタッフの前で明るく褒めてみましょう。「患者さんへの説明が、イラストを使って分かりやすかった」など、どのような点が良かったのかを具体的に伝えます。そうすると他スタッフの気づきにもなり、本人のやる気もアップすること請け合いです。
「叱るときはこっそりと、褒めるときは堂々と」
簡単なことのようですが、日常的に実践するのは意外と大変です。開業を控えた先生は、ぜひ今から覚えておいてください。