子供たちの不安を払拭する工夫を

さて、前回のコラムでは「お母さんをキーマンに据え、積極的に子供さんの受け入れを！」というお話をしました。でも、大人でも歯医者に行くのが苦手な人がおられるところ、子供さんはなおさらです。
そんなネックをクリアし、子供さんに拒否されることなく通ってもらう歯医者を目指すなら、ちょっとした楽しい仕掛けが必要です。今回はその仕掛けの一例を挙げてみます。

キッズスペースの確保

設置されている歯科医院も増えてきましたが、待合室などにキッズスペースを設けましょう。EVA樹脂のジョイントマットを敷き詰めて、オモチャで遊んだり絵本を読んだり子供さんが自由に遊べる空間を作ります。さらにモニターも設置すれば子供たちが大好きなアニメも見ることが出来ます

一点気をつけたいのが、キッズスペースの様子が外から見えるようにしておくこと。子供さんが何をして遊んでいるのかガラス越しに確認できたりすると、お母さんなど保護者のかたの安心感も増し、子供さんを連れて行きやすくなります。

「カプセルトイ」や「くじ引き」でお楽しみ感を演出

子供さんの診療終わりにカプセルトイ（ガチャガチャ）を引いてもらう仕掛けはどうでしょうか。子供さんはガチャガチャが大好きです。これ目当てに、嫌がらずに歯医者さんに通う子供さんも！

また、カプセルトイとイメージは似ていますが、子供さんにくじを引いてもらい景品を渡します。景品はスーパーボールなど小さなおもちゃ系や、消しゴムなどの文具系まで色々考えられます。大きな当たりくじをいくつか入れておくのがポイント！男の子と女の子でくじを分けて準備するのも良いですね。

笑顔で子供たちの緊張を緩和

これまでの物理的な仕掛けとは違う考え方ですが、最後は笑顔！
以前、コスプレ姿で診察している耳鼻科の取材をテレビで見たことがあります。ライオンキングやマリオなど、子供たちに人気のキャラクターの衣装が約30種類も準備されているとのことでした。受診時の子供さんの緊張を少しでもほぐそうとする病院側の奮闘がうかがえますね。
ここまでやれば「すごい！」の一言ですが、そこまでやらずとも子供さんにはできるだけ明るい笑顔で接することを忘れずに。特に初めて受診する子供さんは思いの外緊張しています。少しでも緊張や不安を和らげるためにも、努めて笑顔で話しかけましょう。

今回は子供さんへの仕掛けについてお話しました。子供さんが不安気なく、さらには喜んでもらえたら、連れてきたお母さんやご家族も安心され、喜んでもらえます。地域に選ばれる歯科医院を目指すなら、何か子供さんが楽しくなるような仕掛けを考えてみましょう。