首都圏での開業を例に検証
開業すればどれくらいの収入になるのか、これから独立する先生方は気になるもの。
今回は「診療収入」がテーマです。早速、都内・首都圏エリアでのテナント開業を例に見ていきましょう。
1ヶ月の診療収入は約400万円が目安。その内訳は保険診療320万円、自費診療80万円です。月に400万円の診療収入だと年間で4800万円になります。この診療収入に対して材料費、外注技工料などがかかってきます。さらに給料や家賃、消耗品費などの諸経費を差し引き、利益が残ります。家賃の高いエリアで開業すると利益は少なくなり、スタッフが多いと人件費が膨らむ、といったように「利益の目安」は家賃の金額やスタッフの数などで変わってきます。
一般的な利益は診療収入の35%前後が目安です。
(年間例)4800万円×35%=1680万円 (1700万円が利益の目安)
この1700万円が今回サンプルに挙げた、都内・首都圏エリアでのテナント開業時の利益目安になります。
利益率優先の開業地は都心?地方?
地方の場合、戸建て医院やテナントでもユニット4台以上の医院が多いうえ、都心に比べ比較的来院患者の数も多いため、診療収入も高くなる傾向に。地方開業の場合は診療収入約7000万円~8000万円を目安に考えると良いでしょう。すると、利益は約2500万円~3000万円になり、総体的に都内で開業するよりも余裕が生じるといえます。
診療収入・利益と働き方のバランスを
開業後の収入を考える時、注意したいのは「利益は自由に使える額ではない」ということ。当然ながら利益に対して所得税や住民税がかかり、実際に残るのは利益から20%~30%差し引いた金額になります。それでも勤務医時代に比べ年収は上がり、働いた分、稼ぐことができます。逆に診療時間をおさえて自由な時間を増やすことも可能です。
このように、自分のペースで働き方を選択できるのが開業の大きなメリット。診療収入と利益を参考に、改めてご自身が望むワークスタイルを考えてみましょう。