医院運営の大きなカギを握る「採用」基準を再確認
実のところ、歯科医院を開業して苦労することとして真っ先に挙げておきたいのがスタッフの採用です。
今回はスタッフ採用を行う際、気をつけておきたいポイントを挙げます。
●厳しくなっている採用条件
10年前と比べるとスタッフの採用が難しくなっているのが現状です。
少し前の採用話を鵜吞みにして求人活動を行っていては、全く人が集まらないということにもなりかねません。コロナ禍で少し状況改善の兆しはありますが、総合的に歯科衛生士の採用は、やはり厳しいまま。
“経験者かつ20代”といった歯科衛生士の応募があれば申し分なし、といったところですが、そんな先生が希望する条件を全て兼ね備えた方を採用することは難しい!「未経験でも問題なし」くらいのスタンスでないと採用がおぼつかないことを理解しておきましょう。
院長・先輩スタッフと“上手くやっていける”人を見極める
●明るい人が理想
非常にシンプルですが、面接するときは明るい人を選びましょう!
技術は徐々に習得できるものですが、性格を変えるのは大変難しいのです。
例えば、その方が技術的にまだ未熟でミスをしてしまっても、明るい性格がベースにあれば、多少のミスも許せるようになるという先生も多いようです。
●能力よりも院長との相性
経験者で技術面でも能力の高い、即戦力になるスタッフは誰しもと欲しいと思える人材です。
ただ、その反面、院長と“ソリ”が合わず衝突してしまう可能性も。無論、仕事ができるのは評価すべきことですが、勤務中に度々揉めてしまっては、院長ご自身も疲弊してしまうのではないでしょうか?
仮に大きな組織なら、バラエティに富んだ採用方針でトップに対してノーといえるスタッフも必要ですが、一般的な歯科医院は4、5人の規模。そのような小さな組織で、1人でも院長と常にぶつかっているようなスタッフがいると、ゆくゆく全員が院長と敵対することになりかねません。
採用をご自身で行われる先生は「この人は自分とうまくやっていけるか?性格が合うか?」を大きな判断基準として持っておきましょう。
●協調性も大事
さらにもうひとつ。協調性のある人を採用します。この協調性は、院長はもとより他のスタッフにも大いに影響します。
では最後に、面接で使える鉄板の質問を!
「院長(私)が、あなたが考えているやり方と違う指示をした場合はどうしますか」と聞いてみてください。協調性はその答えにあらわれます。協調性がある人は院長の意見を尊重し、他のスタッフともいい関係を築ける。そんな人を採用できれば、院内の雰囲気も良くなり、患者さんが集まる医院になりそうですよね。
「協調性があり明るく、院長とソリが合う方」の採用を推奨してきましたが、新年度に向け、求人の準備に入っている先生は参考にしてみてください。