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Net Movie 歯科開業への道  ~成功への階段~

歯科開業NET小説 チャプター10 「設計・広報PR」

チャプター10 「設計・広報PR」

設備の選定の為、M社のショールームへ足を運んだ石田。

魅力的な機器が多く、どれもこれも欲しくなってしまいました。その結果、見積りは予算を大幅に超えてしまい・・・。

そこで石田は、森川先生に再び相談することにしました。


森川会計事務所の応接室。

パソコンの画面で、資料などの説明をしている森川先生。

真剣な表情で、森川先生の説明を聞いている石田。
「石田先生。最初から一番良いものを揃えるのは、あまり現実的ではありません。増設などを計画に入れ、最初は必要なものを揃えるのが良いと思います。軌道に乗ってからでも間に合うものと、最初から必要なものとを分けて検討しませんか?」
石田、小さく頷きながら

「なるほど・・・確かに森川先生の言う通りですね。最初から全部揃えるなんて無理ですよね。」(少し反省の色を見せる)

優しく微笑む森川先生。
「それと先生、クリニックの設計ですが、設計士からラフ案が届きまして、患者さんを入りやすくする為、前面をガラス面にされることをお勧めします。」

顔をあげる石田。
「え?、でも・・・それだと中に入った患者さんが恥ずかしいのではないですか?」

怪訝な表情の石田。

森川先生、微笑みながら
「ですので、視線が合う部分は曇り硝子にします。当然、室内でのパーティションも同様にしておきます。今の時代、プライバシー保護に対応していることは重要です。」

「なるほど。」

大きく頷く石田。

「それとクリニックが夜でも目立つように玄関前に大きめのライトを付ければ良いと思います。明るいと目立ちますし、入りやすくなります。」
「なるほど。」

再び頷く石田。
「診療台は3台で、増設を見越して2台分の配管とスペースを確保しておきます。最初から5台もいらないと思いますし、もし必要になればスムーズに増設できます。」
「なるほど。」

森川先生の説明に心から感心する石田、頷くばかりである。
「それと先生、そろそろ医院の名前を決めないといけません。求人や各種書類、ロゴマークなど名前を決めてから作成するものが多いので・・・。」

石田、少し間を置いて、照れくさそうに口を開く。
「名前は・・・アルファベットで『ISHIDA DENTAL SALON』とかにしたいなって思います。歯科医院らしくない名前にしたいんです。」

「うーん、『ISHIDA DENTAL SALON』ですか・・・」

腕組みをする森川先生。
「確かにお洒落です。でも石田先生、患者さんは英語のロゴを見て、そこが歯科医院とすぐに分かるでしょうか?せっかくお洒落な歯科医院にしても、歯科医院だということが患者さんにわからなければ何にもなりません。そういう意味では、名前は歯科医院らしい、わかりやすいものがお勧めですよ。」

考え込む石田、暫くしてから
「そうですね。」

何度も頷きながら答える。

石田(心の声)「森川先生の言う通り、名前はわかりやすく[いしだ歯科クリニック]にしよう。」

石田(心の声)「また開業には色々な届出が必要になるのですが、M社の工藤さんがサポートしてくれたので問題なく行えた。

●保健所への提出 ●都道府県への届出 ●税務署への各種届出・申請 

●労働基準監督署への届出 ●ハローワークへの届出●歯科医師会への入会・・・

そして、気がつけば開業まで3か月をきっていた。」


森川会計事務所の応接室。

石田と工藤、そして森川先生が座って話をしている。

「先生、開業の広告ですが、内覧会のお知らせを告知しませんか?」

少し顔を曇らせる石田。
「内覧会ですか・・・いや、ちょっと恥ずかしいし、どうせ4、5人しかこないでしょ?やめておきます。」

目を伏せる。

そんな石田を見て、少し身を乗り出して話を続ける森川先生。
「石田先生、歯科医は口コミで患者を増やします。口コミは最初に知ってくれる人がいないと広がりません。4、5人でも「いしだ歯科クリニック」を知ってもらえれば、そこから口コミで広がります。少人数しかこなくても内覧会をする意味はとても大きいですよ。」

森川先生の勢いに押される石田。
「そ、そうですか・・・。」
「石田先生、広告に内覧会を告知することは経費的には何ら変わりはありません。変わるのは先生のプライドだけです。ぜひやっていただけませんか?」
「・・・。」

腕組みをして悩む石田。

隣に座っている工藤も言葉を繋げる。

「石田先生、最近は開業前に内覧会をする先生は多いです。地域の住民の皆さんに[いしだ歯科クリニック]を知ってもらう良い機会だと思います。森川先生の仰るとおり、例え集まるのが少人数だとしても、やってみる価値はあると思います。」

石田、暫く考え込むが、意を決したように

「わかりました。頑張ってみます!」

大きく頷く。

「ありがとうございます、石田先生。」

森川先生が笑顔で答える。

工藤も笑顔で続ける。

「石田先生、内覧会は私もできるだけお手伝いさせていただきます。一緒に頑張りましょう!」

「はい、よろしくお願いします!」

石田、晴れ晴れとした表情で答える。


後日、[いしだ歯科クリニック]の内覧会が行われた。

幸い、多くの方が来院され、石田はその対応に嬉しい悲鳴をあげた。

1人1人の方に、クリニックの診療方針を丁寧に説明し、その反応も上々だったように思えた。

最後の1人を送り出した石田は、ずっと手伝いをしてくれた工藤に話しかけた。

「工藤さん、今回もやはり森川先生のアドバイスは的確でした。内覧会をやって本当によかったです。」

「そうですね。正直言ってこんなに多くの方がこられるとは思いませんでしたが・・・。」

苦笑する工藤。

「実は・・・私もそうですよ。」

顔を見合わせて微笑む、石田と工藤であった。


森川先生のアドバイスで、石田は一歩づつ確実に、開業への階段を登って行きます。しかし、開業への道はまだ苦難があるのです。それは・・・。


次回へ続く~

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