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個人医院の収益は回復傾向

個人医院の収益は、わずかに右肩上がり・回復傾向(医療経済実態調査 令和元年)

2020/04
ポイント

◆個人医院の収益は、僅かながらも右肩上がり・回復傾向。

・医業収益(売上)は、年間4,000~4,400万円
・医業収入(売上)伸び率が、縮小傾向から回復へ
・収益差額(粗利)は、横ばい傾向から上昇の兆し

医業収益合計

医業収益合計グラフ

一般企業における営業売上に相当する医業収益は、第21回調査を除いて基本的に上昇傾向にあります。

医業収益合計 前年比伸び率

医業収益合計 前年比伸び率グラフ

但し、伸び率でみると、第19回調査をピークに伸び幅そのものは減少傾向となり、第21回調査ではマイナスに転じました。
その後、最新の調査では、回復しています。

収益差額(粗利)

収益差額(粗利)

収益から各種経費を引いた収益差額(いわゆる粗利)は、伸び率が減少傾向であった第20回・第21回調査では、ほぼ横ばいでしたが、第22回調査において、再度、上昇傾向に転じました。

森川先生から一言!!『税金にご注意!!』

今回の統計データについて税理士の森川先生からコメントをいただきました。

個人医院は医業収益がそのまま儲けになる訳でありません
診療収入から材料費や技工料などの原価、スタッフの給料や家賃、広告費や水道光熱費などの経費を差し引いた残りが利益になります。医業収益が4,000万円の場合だと、1,500万円ほどが利益の目安です。利益からさらに所得税・住民税がかかります。税金を引くと手元に残る金額は1,200万円ほどになります。

収益が大きくなれば医療法人化を検討しましょう。金額に基準はありませんが、利益で2,000万円~2,500万円あたりが1つの目安です。この金額を超えると税率が高くなるからです。但し、法人化は単に節税目的だけでなく、医院の将来について規模の拡大や分院化、事業承継などの可能性も考えて検討していきましょう。

数値情報

数値情報

最新調査(平成30年度)では、医業収益における収益差額の割合(いわゆる粗利率)は、約28%となっています。

用語・単位について

  • 合計……医業収益の合計(医院の売上)※介護は含まず
  • 前年比伸び率……調査回ごとの収益合計の変化率
  • 収益差額……収益合計から必要経費を引いた粗利
  • 補足:調査対象医院のチェアユニットの保有数は、毎回平均3台です。
  • この調査を基にしたコンテンツ(外部サイト)

  • 第22回 中医協・医療経済実態調査結果(個人立歯科診療所)に対する見解
  • 第22回医療経済実態調査結果報告に関する分析(健康保険組合連合会)
  • 参照データ

    第22回医療経済実態調査

    医療経済実態調査とは:
    医療経済実態調査は、中央社会保険医療協議会が2年に1度、実施している調査です。医業経営等の実態を明らかにし、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的に実施されています。
    2年に一度の調査で医療施設の2期連続の情報を調査します。同じ医療施設の数値を比較する事ができるため調査回ごとの伸び率などの比較データが一般の統計より経営実態に近いものになります。

    ここでは、開業直後の先生方と同じ事業規模であると思われる歯科個人医院に関するデータをまとめました。

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