歯科医師の年収は上昇傾向
毎年、厚生労働省から発表される数値は、調査対象の違い等で変動があります。
より、傾向が見やすいように5年分・10年分の平均を算出しました。
小規模医院の平均年収(9人以下)は、最近の平均値の方が高くなっています。
事業規模別 5年間平均年収
小規模医院と大規模医院の比較では、規模が大きい方の年収が高くなっています。
事業規模(常用労働者数)別
歯科医師の過去5年・10年の平均年収
性別で比較すると金額・伸び率ともに男性が優位
過去5年間の男女別平均年収
小規模医院に勤務する歯科医師の年収を性別で比較すると、男性の方が高くなっています。
男女の年収差
男女別の平均年収 伸び率
女性歯科医の年収は、金額・伸び率ともに男性より、低くなっています。
これは、女性歯科医のライフイベントによる転職・勤務形態の変化などの影響が考えられます。
男女別の平均年収 伸び率
森川先生から一言!!『開業医の世帯年収は1500万程度』
今回の統計データについて税理士の森川先生からコメントをいただきました。
ここ数年は人手不足で歯科衛生士・歯科助手の給与が上がりました。勤務医はさらに数が少なく、勤務医を募集する医院では、初任給が上昇しました。そのため年収も増加の傾向にあります。
今年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、診療収入は減少からようやく回復してきました。採用はまだ増えていないので、給与の高騰は抑えられています。(2020年秋執筆時点)
ただ、これは勤務医が中心のデータで開業医の年収はもう少し高くなります。開業した医院では奥様も働いているケースが多いため、世帯年収で判断した方がわかりやすく、弊所のクライアントの平均年収は実質1500万円程度になります。
なお、年収は手元に残るお金ではありません。ここから所得税、住民税、社会保険(健康保険料、年金)が引かれます。年収の70%~80%がおよその手取りになります。
用語・単位について
この調査を基にしたコンテンツ(外部サイト)
参照データ
賃金構造基本統計調査とは:
主要産業に雇用される労働者について、その賃金の実態を労働者の雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数及び経験年数別に明らかにすることを目的として、毎年6月(一部は前年1年間)の状況を調査している調査です。
統計上は、従業員数数百人規模の事業所のデータが含まれますが、ここでは、開業直後の先生方と同じ事業規模と思われる5~9人の規模のデータを中心に集計しましたた。