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Net Movie 歯科開業への道  ~成功への階段~

歯科開業NET小説 チャプター01 「決意の開業」

チャプター01 「決意の開業」

すっかり日が暮れた閑静な住宅街。

その中にある一軒の歯科医院。

「帝塚山歯科」の看板がでているが、すでに消灯している。


広々とした院内では治療用のチェアが5台並んでいる。

その一角で後輩の技術指導をしている勤務医の石田成泰(いしだなりやす)。
「そう、ここで大切なのは、ミラーの角度。ミラーを濡らさないように気をつけて。」
「石田先生、こうですか?」
後輩の勤務医である古里貢(ふるさとみつぐ)が不安気に尋ねてくる。
「そうそう、そのまま続けて」
そう言いながら、何気に壁にかけてある時計を見上げる石田。
時計は午後9時近くを指している。


ロッカールーム内、携帯電話で話をしている石田。
「ごめん・・・もう少しかかりそうなんだ・・・うん・・・今日は無理みたい・・・ごめん。」
電話の相手は叶(かのう)さなえ、石田の恋人である。
携帯電話を切って、大きく溜息をつく石田。
『勤務医として働き出してもう6年目。毎日夜遅くまで残業に追われてしまい、自分自身のスキルアップもできていない状況が続いている。こんなことで、本当 に患者さんにより良い医療が提供できるのだろうか?。さなえとも中々ゆっくり会えないし、寂しい思いをさせている・・・このままの状態が続くことが、本当 に良いことなのだろうか・・・』

日々、自問自答している石田であった。
そんな石田は、悩んだ末に、ある決断をした。


「え?開業!?」
驚いて声をあげるさなえ。
ある喫茶店で、石田はさなえと珈琲を飲んでいた。
石田とさなえは付き合い始めて、もう5年になる。そろそろ結婚というゴールも見えてきた。
そんなさなえに、開業の話を切り出した石田。
「うん、今のままでは残業残業の毎日で自分のスキルアップもままならない。患者さんにも良い医療を提供できなくなってしまいそうで不安なんだ。僕は患者さ んの為にももっともっと勉強したい。開業して自分の時間を作って腕を磨き、患者さんに喜んでもらえる医療を提供する。」
じっと石田の顔を見ながら、考えるさなえ。
さなえはごく普通のOLであり、「開業」という言葉はピンとこなかったが
「うん、わかった。成泰がそう決心したんだったら、私も応援する」
「ありがとう。頑張ってみるよ」
ほっと胸をなでおろし、笑顔で答える石田。

マンションの一室(石田の自宅)。

室内で何かを探している石田。
「確かこの名刺入れの中にあったと思うんだけど・・・」
名刺入れをめくっていく。
「あ、あった、あった!」
以前、知人に紹介された医療コンサルタントの名刺だった。

「開業って何をどうすれば正直言ってよくわからないけど・・・とりあえずコンサルに相談してみるか・・・。」


通りに面したビルの一角。

「高井出コンサルタント」の看板が出ている。

コンサル会社の応接室で、担当者と話をしている石田。
「石田先生、開業と言うのは、思っている以上に大変です。お金も時間も想像以上にかかります。それは覚悟しておいて下さい。」
担当者の言葉に、少し怯む石田。
「えっと・・・契約料というんですか、大体おいくらぐらいかかるんでしょうか?」
おそるおそる聞いてみる。
「概算ですが、200万円ぐらいはかかると思います。」
「え!?そんなにするんですか?」
驚く石田。予想外の金額である。
「わ、わかりました。少し検討して、またお返事します。」


自宅でパソコンを操作している石田。
「 開業サポートだけで200万円。。。うーん、何か想像以上にお金がかかりそうだ。こんなことで本当に開業なんかできるのかなぁ・・・」
インターネットで検索している石田の手が、ふと止まる。
画面には歯科の大手企業であるM社の「開業支援コンテンツ One To One Club」のページが表示されている。
「ふ~ん、M社の開業支援か・・・大手だし安心かも。でも、所詮インターネットだからなぁ・・・とりあえず、登録してみるか」


■モリタ「One To One Club」はこちら↓
https://121.dental-plaza.com/


画面に表示されているコンテンツを見る石田。
税理士の森川先生のWebセミナーが流れている。
「開業は戦いか・・・」
画面のコンテンツで「立地について」を見る石田。
パソコンのスピーカーから森川先生の声が響く。
「開業立地の場所は、探したら自分で見てみるんですね。」
画面を見ながら頷く石田。
「いい物件か・・・確かに自分で見てみないとわからないし。よし、散歩がてら駅前を歩いてみるか。」

パソコンを閉じて立ち上がる石田。


人通りの多い駅前から少し離れた住宅街。

物件を探しながら歩く石田。
ふと空いているテナントを見つける。
「お、いいじゃないか。人通りも多そうだし、悪くない。ここならいけるかも!」
そういいながら何気に後ろを振り返る石田の視界に、なんと歯科医院の看板が・・・。
「え???、こんな近くに歯科医院が・・・」
愕然として立ちすくむ石田。


偶然見つけた物件のすぐ前には、すでに他のクリニックが存在していた。開業への道は、まだ始まったばかりである・・・

次回へ続く~

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